エコパスコラム

企業の生物多様性の取り組みに役立つ情報を更新していきます

企業人のためのエコロジー入門 No.6「外来生物との付き合い方」

2018年2月13日 から Kitazawa | 0件のコメント

外来生物というと、とにかく悪者というイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。私が非常勤講師をしている大学でも、外来生物は在来種を食べる悪者だったり、あるいは日本の生物より大きくて狂暴といったイメージを持つ学生が多くいます。カミツキガメが口を開けている瞬間や、牙をむくアライグマの映像などが繰り返しテレビで流れる影響かもしれませんが、「外来生物=怖い悪者」という短絡的イメージには少し戸惑いを覚えます。

もし皆さんが関わるビオトープや保全活動地で外来生物を見つけたら、どう対応しますか?全ての外来生物を駆除しようという人もいれば、できるだけ駆除はせずに自然に任せるという人もいます。今回は、こうした外来生物との向き合い方について、基本的な考え方をまとめていきます。

 

外来生物対策を考える上で最も重要なことは、自分が行っている保全活動の目的を再確認することです。ある場所で生物多様性保全活動をしている場合、その目的は外来生物の駆除ではなく、在来生物からなる生態系を保全することのはずです。外来生物の中には、オオクチバスのように池の在来魚やエビ類などを盛んに捕食したり、草地のアレチウリのように植生を覆いつくして在来植物を局所的に絶滅させたりする種もいます。実際に、外来生物によって保全対象の動植物に影響が出ている(あるいは出る可能性が高い)場合には、保全目的を達成するためにも外来生物を駆除することは避けて通れません。オオクチバスやアレチウリのように、在来生物や生態系あるいは社会に対して大きな影響を及ぼす外来生物を「侵略的外来生物」と呼びます。

一方、目に見えて悪さをしない(在来生物への影響が軽微な)外来生物もいます。例えば、庭や道端など身近な場所に咲いているオシロイバナは南米原産の外来植物です。子供のころにタネを集めて遊んだ人も多いのではないでしょうか。本種は江戸時代に日本に持ち込まれ、現在では日本各地に広まっていますが、在来の動植物や生態系に悪い影響を与えたという報告はこれまでに聞いたことがありません。オシロイバナも外来生物なのだから道端や庭から積極的に駆除するべき、と言われれば疑問が残ります。

このように外来生物の影響度は種ごとに大きく異なり、何でも一括りにして考えてしまうと、保全活動の効率を落としてしまいかねません。では、外来生物の影響度をどのように判断すればよいのでしょうか。自分たちで観察し調べるのも一つの手ですが、行政がまとめた外来生物リストを参照することもできます。例えば、環境省は「我が国の生態系等に被害を及ぼすおそれのある外来種リスト(生態系被害防止外来種リスト)」を作成し、生態系や社会への影響度をまとめています。また千葉県北海道のように、よりローカルな範囲での外来生物情報をまとめている自治体もあります。

 

さて、ここまで外来生物の駆除を中心に外来生物への対応を考えてきました。しかし駆除は大変な作業です。力仕事であることはもちろん、外来生物とはいえ生物の命を奪うという行為には心が痛みます。

そこで注目していただきたいのが、外来生物の侵入・定着を「予防」する取り組みです。外来生物は持ちこまれなければ、あるいは捨てられたりして野外に拡がらなければ、問題を起こすことはありません。個人レベルであれば、ペットや園芸植物を野外に捨てず最後まで面倒を見ることを徹底することが、外来生物を増やさない「予防」になります。企業においては、外来生物を事業で利用する機会を減らす(例:緑化での在来植物利用など)、物資輸送に伴う外来生物の混入を防ぐ(例:バラスト水など)といった取り組みが求められています。

しかし駆除活動と比べて、予防の取り組みはなかなか進んでいません。愛知目標の進捗状況を評価した「地球規模生物多様性概況第4版(GBO-4)」でも、外来生物対策において最も遅れているのは予防活動だと指摘されています。すなわち外来生物の予防は、今後、取り組みを進めなければならない喫緊の課題と言えます。

 

上記のように、外来生物対策は「入れない・捨てない・拡げない」ことが肝心です。保全活動の限られた資源や労力を効率的に使うためにも、外来生物を現場から駆除するという活動に終始するだけではなく、侵略的外来生物だけを対象にした選択的駆除の実施や、新たな外来生物の侵入・定着を予防する普及啓発の取り組みなど、総合的な外来生物対策を進めてみてはいかがでしょうか。

 

(by 北澤 哲弥)

2018年1月5日
から Kitazawa
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CSR活動「消えゆく伝統芸能の小道具復元」について寄稿しました

公益財団法人日本自然保護協会の会報「自然保護」No.568(2018年1・2月号)で、弊社のCSR活動の一つである「消えゆく伝統芸能小道具の復元活動」の取り組みを紹介する機会を頂きました。

今号の特集「天狗の羽団扇」では、伝統芸能と自然風土とのつながりに関し、様々な立場からの取り組みが紹介されています。その中で、弊社北澤が百姓蓑(みの)の復元プロジェクトについて寄稿しました。

このプロジェクトは、能楽や歌舞伎といった伝統芸能の活動を支援する任意団体「伝統芸能の道具ラボ」が中心となり、進めてきた活動です。百姓蓑は歌舞伎の代表的な演目である「仮名手本忠臣蔵」の五段目・六段目の主役「早野勘平」が着る蓑で、歌舞伎の舞台にとって大事な小道具の一つです。その入手が難しくなっており復元に取り組みたいが素材の植物が何かわからないと伝統芸能の道具ラボの田村民子さんから相談を受け、弊社がサポートをすることになりました。

長い間、舞台で使われてきた蓑は擦り切れて素材の同定は非常に困難でしたが、蓑の作り方を伝承保存している「千葉県立房総のむら」の協力を得て、里山に多く生育するチガヤという植物で蓑が編み上げられていることがわかりました。昔の人々はチガヤの葉の中心にある硬い芯を取り除いて、蓑を編み上げていたようです。使い勝手のよい蓑をつくる昔の方々の知恵には本当に脱帽しました。その後、歌舞伎の小道具をとり扱う「藤波小道具株式会社」のスタッフが作成方法を学び、最終的に新しい百姓蓑を編みあげるまでに至りました。

伝統芸能の小道具と里山の植物という、これまでには見えていなかったつながりを、この活動を通して学ばせてもらいました。伝統芸能の世界では、竹や絶滅危惧種の猛禽類の羽など、よい品質の素材を入手することが難しくなっている小道具がまだまだあります。伝統芸能の維持に貢献することが里山保全にもつながれば、これは私たちにとっても非常に大きな喜びです。この活動が里山を守る流れに発展するよう、引き続き関わっていきたいと思います。

 

詳細はぜひ「自然保護」No.568(2018年1・2月号)をご覧ください。

 

百姓蓑と房総のむらで保存されている蓑の比較

2018年1月4日
から Kitazawa
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【新年のご挨拶】

明けましておめでとうございます。
旧年中に関係各位よりたまわりましたご支援ご厚情に深く感謝とする共に、新年のご挨拶を申し上げます。

 

2017年、生物多様性を含む環境課題や社会課題に対する企業の取り組みを評価基準に組み入れたESG投資が日本でも急速に進んできました。生物多様性に対する企業の取り組みに一層注目が集まり、今後は自社拠点やサプライチェーンを通した活動の「質」が問われる機会が増えることが予想されます。
地域~地球レベルでの環境課題の解決に対し、その活動がどのように貢献するかという視点を改めて認識し、より高い効果が得られる活動へと昇華させる発展性が益々重要になります。

 

昨夏の日本では「ヒアリ」が大きなニュースとなり、物流と外来生物との関係性が改めてクローズアップされました。外来生物のコントロールは、生物多様性条約事務局が公表している地球規模生物多様性概況第4版(GBO4)でも取り組みの遅れが指摘されています。
生物多様性の取り組みが進んできたといはいえ、保全を達成するためにはまだ多くの課題が残されていることを再認識させられた一年でした。

 

エコロジーパスは本年、皆様のおかげで5年目を迎えることになります。
引き続き皆様のパートナーとして、生物多様性保全を通したサステナブルな社会への前進を
お手伝いをさせていただきたく思います。本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます。

 

2018年1月4日

(株)エコロジーパス 代表取締役 永石文明、取締役 北澤哲弥

2017年12月25日
から Kitazawa
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1/24 重富の森と錦江湾セミナー「森と土と水のめぐみ」のお知らせ

JTの森大学実行委員会の主催により、重富の森と錦江湾セミナーが開催されます。

鹿児島県姶良市脇元の白銀坂沿いに広がる「JTの森重富」は吉野水系の一部を担う水源の森です。森に降った雨はどのようにしてきれいな水となり、川や地下水を潤すのでしょうか。そしてゆたかな水は地域の文化・産業にどのようにかかわってきたのでしょうか。本セミナーでは、鹿児島大学農学部の平先生と白金酒造株式会社のご協力をいただき、水を育む森の「土」と水に関わる地域産業である「焼酎」にスポットを当て、森と地域の魅力について考えます。

【詳細チラシ → コチラ

【イベント内容】

第4回 1 月 24 日(水)9:15 ~ 16:00
「森と土と水のめぐみ」
【講師】鹿児島大学農学部 平 瑞樹 助教
【集合】白金酒造石蔵ミュージアム(姶良市脇元1933)(受付9時~)
【対象】自然に興味があり山道を歩ける方。白銀坂を登ります。
【服装・昼食】ハイキングができる格好。昼食は各自ご準備ください
【備考】少雨決行。
【スケジュール】
9:00- 9:15 受付(白金酒造 石蔵ミュージアム)
9:15-12:30 開会、移動、JT の森重富フィールド歩き
12:30-13:30 (昼食)
13:30-14:50 室内講義
14:40-15:50 石蔵ミュージアム見学
15:50-16:00 まとめ、解散

 

【申込・問合先】
1月19日(金)までに下記までお申し込みください
鹿児島県森林組合連合会 担当:南(JT の森大学実行委員会事務局)
〒892-0816 鹿児島市山下町9 番15 号 電話:099-226-9471 FAX:099-223-5483
メール:minami-takashi@kamoriren.or.jp
※参加ご希望の方は、お名前、ご連絡先(住所・電話・FAX・メール)、をお知らせください。申込詳細はチラシ裏面をご覧ください。

2017年10月16日
から Kitazawa
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11/25 重富の森と錦江湾セミナー「クスノキ林に秘められた歴史と文化」のお知らせ

JTの森大学実行委員会の主催により、重富の森と錦江湾セミナーが開催されます(2017年7月から隔月4回の開催を予定)。

鹿児島県姶良市脇元の白銀坂沿いに広がる「JT の森 重富」では、姶良カルデラや錦江湾の雄大な景色、ゆたかな森の動植物たち、さらには樟脳や清涼な水など森がもたらす豊かな恵みや地域文化を感じることができます。

本セミナーでは、クスノキチップからの樟脳づくりを体験するとともに、地域の歴史と文化を学びながらJT の森を歩くことで、ふだん何気なく見ている風景の中から自然と文化の関わりを読み解くチカラを養います。

【詳細チラシ → コチラ

【イベント内容】

第3 回 11 月 25 日(土)9:15 ~ 16:00
「クスノキ林に秘められた歴史と文化」
【講師】姶良市企画政策課 下鶴弘氏
【集合】姶良市歴史民俗資料館(姶良市東餅田498)(受付9時~)
【対象】自然に興味があり山道を歩ける方
【服装・昼食】ハイキングができる格好。昼食は各自ご準備ください
【備考】少雨決行。大雨の際は、室内講義に変更します。
【スケジュール】
9:00- 9:15 受付(歴史民俗資料館)
9:15-11:40 開会、講義・樟脳づくり
11:40-12:40 (昼食)
12:40-14:40 移動、JT の森重富フィールド歩き
14:40-15:40 移動、蒲生の大楠見学
15:45-16:00 移動、解散(歴史民俗資料館)

【今後の予定】

第4 回 2018 年1 月予定
「森と土と水のめぐみ」
講師:調整中

【申込・問合先】
11月20日までに下記までお申し込みください
鹿児島県森林組合連合会 担当:南(JT の森大学実行委員会事務局)
〒892-0816 鹿児島市山下町9 番15 号 電話:099-226-9471 FAX:099-223-5483
メール:minami-takashi@kamoriren.or.jp
※参加ご希望の方は、お名前、ご連絡先(住所・電話・FAX・メール)、および第2回~4回までの参加希望(予定で構いません)をお知らせください。申込詳細はチラシ裏面をご覧ください。

2017年9月7日
から Kitazawa
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10/24 セミナー「フィールド体験 街中で取り組む環境保全とSDGs~都市のビオトープ保全活動を事例に~」のお知らせ

(株)エコロジーパス主催のCSRに悩む企業のための連続セミナー「環境保全の現場から見えてくるSDGs」の第2回「フィールド体験 街中で取り組む環境保全とSDGs~都市のビオトープ保全活動を事例に~」を10月24日(火)に開催いたします。

本セミナーでは、生物多様性の保全や社会教育の推進、子供の健全育成などを目的に、街中の公園で行われているビオトープ保全活動を取り上げます。活動主体のNPOスタッフを招いて、街中の都市公園で行われている保全活動を見学・体験するとともに、地域の環境課題とビジネス、SDGsとのつながりについて考えます。

申込はコチラ

 

【日時】 平成29年10月24日(火) 14:00~16:30(受付開始:13:30)

【場所】 都立光が丘公園バードサンクチュアリ →園内Map(Mapで黄色い鳥のマークがあるところが入口)

(東京都練馬区光が丘4-1-1、都営地下鉄大江戸線「光が丘」より徒歩8分)

【定員】20名

【対象】人事・環境・CSR・調達・広報・総務ご担当者

【参加費】無料

【服装】野外を歩ける格好(長ズボン・歩きやすい靴等)

【お申込み】申込フォーム → コチラ

プログラム

14:00-14:05 開会

14:05-15:35 「都市公園におけるビオトープの見学と活動体験」  NPO法人 生態工房 岩本 愛夢 氏

15:35-15:50 休憩

15:50-16:25 意見交換「街中の生物多様性保全活動からSDGsへの貢献を考える」 ㈱エコロジーパス 永石 文明

16:25-16:30 閉会

【チラシ】

ダウンロードはコチラ

【今後の予定】

10月以降も生物多様性やSDGs に関するセミナーの開催を予 定しております。最新情報は 弊社トップページでご案内いたします

2017年8月31日
から Kitazawa
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9/9 重富の森と錦江湾セミナー「いきもの調べで森を知る」のお知らせ(鹿児島県)

JTの森大学実行委員会の主催により、重富の森と錦江湾セミナーが開催されます(2017年7月から隔月4回の開催を予定)。

鹿児島県姶良市脇元の白銀坂沿いに広がる「JT の森 重富」では、姶良カルデラや錦江湾の雄大な景色、ゆたかな森の動植物たち、さらには樟脳や清涼な水など森がもたらす豊かな恵みや地域文化を感じることができます。

本セミナーでは森のいきもの調査をしている調査員とJT の森重富を歩き、季節の動植物を探すとともに、森の特徴やいきもの達のつながりを学び、ふだん何気なく見ている風景の中から自然と人との関わりを読み解くチカラを養います。

【詳細チラシ → コチラ

【イベント内容】

第2 回 9 月 9 日(土)9:15 ~ 16:00
「生きもの調べで森を知る」
【講師】(株)エコロジーパス 北澤 哲弥、鹿児島県森林組合連合会 南 尚志 氏
【集合】鹿児島県姶良市脇元地区公民館(受付9時~)
【対象】自然に興味があり山道を歩ける方
【服装・昼食】ハイキングができる格好。昼食は各自ご準備ください
【備考】少雨決行。大雨の際は、室内講義に変更します。
【スケジュール】
9:00- 9:15  受付
9:15- 9:30  開会、概要説明、移動
9:30-13:00   フィールドワーク(植物観察、調査方法の説明など)
13:00-14:00 (昼食)
14:00-15:50  室内講義「生きもの調べからわかる森の姿」(脇元公民館にて)
15:50-16:00 まとめ、解散

 

【今後の予定】

第3 回 11 月25 日(土)
「クスノキ林に秘められた歴史と文化」
講師:姶良市企画政策課 下鶴弘氏

第4 回 2018 年1 月予定
「森と土と水のめぐみ」
講師:調整中

 

【申込・問合先】
第2回に参加されない場合も含め、9月4日までに下記までお申し込みください
鹿児島県森林組合連合会 担当:南(JT の森大学実行委員会事務局)
〒892-0816 鹿児島市山下町9 番15 号 電話:099-226-9471 FAX:099-223-5483
メール:minami-takashi@kamoriren.or.jp
※参加ご希望の方は、お名前、ご連絡先(住所・電話・FAX・メール)、および第2回~4回までの参加希望(予定で構いません)をお知らせください。申込詳細はチラシ裏面をご覧ください。

2017年6月27日
から Kitazawa
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7/29 重富の森と錦江湾セミナーのお知らせ(鹿児島県)

JTの森大学実行委員会の主催により、重富の森と錦江湾セミナーが開催されます(2017年7月から隔月4回の開催を予定)。

鹿児島県姶良市脇元の白銀坂沿いに広がる「JT の森 重富」では、姶良カルデラや錦江湾の雄大な景色、ゆたかな森の動植物たち、さらには樟脳や清涼な水など森がもたらす豊かな恵みや地域文化を感じることができます。

経験豊富な講師陣とともに森を歩き、森への理解を深めることで、これまで気づかなかった地域の魅力を見つめなおしてみませんか。

【詳細チラシ → コチラ

【イベント内容】

第1 回 7 月29 日(土)9:15 ~ 16:00
「地形・地質から見る森の姿」
【講師】鹿児島大学理学部名誉教授 大木公彦氏
【集合】鹿児島県姶良市脇元地区公民館(受付9時~)
【対象】自然に興味があり山道を歩ける方
【服装・昼食】ハイキングができる格好。昼食は各自ご準備ください
【備考】少雨決行。大雨の際は、室内講義に変更します。
【スケジュール】
9:00- 9:15  受付
9:15- 9:30  開会、概要説明、移動
9:30-12:30   フィールドワーク(姶良カルデラや錦江湾の地形・地質観察)
12:30-13:30 (昼食)
13:30-15:45  室内講義(脇元公民館にて)
15:45-16:00 まとめ、解散

第2 回 9 月 9 日(土)
「いきもの調べで森を知る」
講師:鹿児島森林組合連合会 南尚志氏ほか

第3 回 11 月25 日(土)
「クスノキ林に秘められた歴史と文化」
講師:姶良市企画政策課 下鶴弘氏

第4 回 2018 年1 月予定
「森と土と水のめぐみ」
講師:調整中

 

【申込・問合先】
第1 回に参加されない場合も含め、7月24日までに下記までお申し込みください
鹿児島県森林組合連合会 担当:南(JT の森大学実行委員会事務局)
〒892-0816 鹿児島市山下町9 番15 号 電話:099-226-9471 FAX:099-223-5483
メール:minami-takashi@kamoriren.or.jp
※参加ご希望の方は、お名前、ご連絡先(住所・電話・FAX・メール)、および第1回~4回までの参加希望(予定で構いません)をお知らせください。申込詳細はチラシ裏面をご覧ください。

 


(JTの森重富さくら見晴台より桜島を望む)

2017年5月14日
から Kitazawa
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7/5 連続セミナー「環境保全の現場から見えてくるSDGs 【第1回】生物多様性からSDGsが見えてくる」

(株)エコロジーパス・(株)クレアンの共催にて、CSRに悩む企業のための連続セミナー「環境保全の現場から見えてくるSDGs 第1回生物多様性からSDGsが見えてくる」を開催いたします。

これから環境保全活動を始めようとする企業のご担当の方や、活動をもう一度見直したいという方などに向け、SDGsの取り組みや自社の事業との関連、また社内浸透などでお困りの問題について、解決への糸口が得られ、またお互いに情報交換のできるセミナーを目指してまいります。

第1回「生物多様性からSDGsが見えてくる」

【日時】 平成29年7月5日 ㊌ 14:00~16:30

【場所】 地球環境パートナーシッププラザ(GEOC)セミナースペース(東京都渋谷区神宮前5-53-70 国連大学ビル1F)

【対象】人事・環境・CSR・調達・広報・総務ご担当者

【定員】20名

【参加費】無料

【お申込み】申込フォーム → コチラ

プログラム

14:00-14:05 開会

14:05-14:35 企業にとってSDGsとは何か?  ㈱クレアン 冨田 洋史

14:35-14:55 生物多様性を守らずにSDGsは達成できるか? ㈱エコロジーパス取締役・生物多様性コンサルタント 北澤 哲弥

14:55-15:10 休憩

15:10-16:25 意見交換・事例「生物多様性保全活動のはじめ方、教えます」 ㈱エコロジーパス環境経営コンサルタント 金澤 厚

16:25-16:30 閉会

【チラシ】

ダウンロードはコチラ

 

【第2回以降の予定】

第2回 フィールド体験「都市公園の はらっぱ保全~身近な場所か ら考えるSDGs~」 ※9月開催予定

10月以降も生物多様性やSDGs に関するセミナーの開催を予 定しております。最新情報は 弊社トップページでご案内いたします

 

2017年4月21日
から Kitazawa
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企業人のためのエコロジー入門 No.5「日本は世界のどの地域で生物多様性に影響を与えているか?」

グローバル経済の下、経営の効率化や安定化を図るためにサプライチェーンの複雑化が進んできました。自社の取引相手が国内企業のみであったとしても、広い目で見れば世界的なサプライチェーンの中に組み込まれていることも多いのではないでしょうか。このことを考えると、外国で起きている生物多様性の危機において、日本の企業も無関心でいることはできません。

 

自社のサプライチェーンが生物多様性に及ぼす影響を、どのように評価すればよいのでしょうか。まず思いつくことは、自社の取り扱う原材料やサプライヤーの情報整理です。原材料や素材ごとに、どれくらいの量をどの地域から仕入れているのか、といった情報をまとめます。単純に考えれば、仕入れる量が多いほどその地域の生物多様性に与える影響が大きくなります。

ただし、動植物は地球上に一様に分布しているわけではありません。地域によって偏りがあります。たとえば希少な動植物が多く暮らす自然保護区やその周辺地域で事業活動が行われている場合、別の場所と比べて事業が生物多様性に及ぼす影響度が大きくなる可能性が高い、ということです。もちろん公的な自然保護区に指定されていなくとも、地域の水源となっている森や、コミュニティーにとって重要な場所などもあります。こうしたローカルスケールの視点を持って情報収集を行うことは、地域に根差した事業を行うためには大切なことです。

サプライチェーンを通した生物多様性への影響を評価するためには、事業に関わる情報だけではなく、生物多様性に関わるローカルな情報を合わせて考えることが大切です。

 

ところで、日本のサプライチェーンはどの地域に大きな影響を及ぼしているのでしょうか。日本企業が特に気を付けるべき地域が明らかになっているのであれば、企業にとってもサプライチェーンマネジメントを進めるうえでの参考となります。そのベースとなる情報を、今年2017年1月に発表された「グローバル・サプライチェーンがもたらすホットスポット(動植物が危機にある場所)の可視化」という論文に見つけました(Moran & Kanemoto, 2017)。

この論文では、IUCN(国際自然保護連合)が公表しているレッドリスト記載種の分布と危機の要因に関する情報および貿易統計等の情報を、産業関連表を用いて統合し、絶滅危惧種の脅威となっている原因の何%をどの国のどの産業が引き起こしているのかを関連付け、その情報を生物多様性フットプリントマップとして視覚化しています。

下図のうちcが日本の影響を示すマップで、陸上では紫が濃いほど、海域では青から黄色みが強くなるほど、影響度が高いことを示しています。この論文では、パプアニューギニアおよびその周辺海域、マレーシア(半島およびボルネオ島)、ブルネイ、タイ、ベトナム、スリランカなどの東南アジア諸国に対して、日本が特に強い影響を与えている、と報告されています。これらの中でも最初に名前が挙げられたパプアニューギニアは、日本への年間輸出額が2187億円で、タイ2.2兆円やマレーシア1.9兆円などと比較して10分の1程度にすぎません(数値は2016年、財務省貿易統計より)。それなのに、日本の影響度が最も高い地域とされていることは、パプアニューギニアの生物多様性が豊かであると同時に、他地域よりも相対的に影響度が大きい活動が行われていることを示しています。

 

この論文は、生物多様性の保全において日本が特に責任を持つべき地域を明確にしたと言えます。生物多様性の持続可能な利用、あるいはSDGs12に明記された責任ある生産と消費は、特に企業が主体となって解決すべき社会課題です。この課題を解決するためには、既存のサプライヤーの事業活動を評価し、生物多様性への影響度が高い場合は事業を改善させることや、場合によっては影響度の低い地域へサプライチェーンを変更することなどが挙げられます。こうした取り組みを通して、日本の企業が世界各地の生物多様性の保全の担い手になることが期待されています。

 

◆引用・参考資料◆

Moran & Kanemoto(2017)Identifying species threat hotspots from global supply chains, Nature Ecology & Evolution 1, Article number: 0023

財務省貿易統計国別総額表 (2017年4月18日確認)

 

(by 北澤 哲弥)